グローバルサプライチェーンとは?世界中からモノを集めて届ける仕組み

グローバルサプライチェーンとは、製品を作るために必要な材料の調達から、製造、そしてお客様の手元に届けるまでの一連の流れを、国境を越えて世界規模で行う仕組みのことです。

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グローバルサプライチェーンとは

グローバルサプライチェーン [blocked]とは、製品を作るために必要な材料を世界中の国々から集め、製造し、そして最終的に私たち消費者の手元に届くまでの、一連の流れ全体を地球規模で管理する仕組みのことです。まるで、世界中の工場やお店が一本の大きなパイプでつながっているようなイメージです。例えば、あなたが普段使っているスマートフォンも、部品はアジアの国々から、組み立ては別の国で、そしてソフトウェアはまた別の国で開発されている、といった具合に、たくさんの国や企業が協力して作られています。

身近な例で言うと、コーヒーを想像してみてください。コーヒー豆はブラジルやベトナムなどの遠い国で収穫され、加工されて日本に運ばれてきます。そして、日本の工場で焙煎(ばいせん:豆を煎ること)され、パッケージされて、ようやくスーパーやカフェに並びます。この一連の、国境を越えた「豆の旅」全体が、まさにグローバルサプライチェーンの一例と言えます。

なぜ今、話題なの?

このグローバルサプライチェーンが今、特に注目されています。その大きな理由は、ここ数年の間に世界中で起こった、いくつかの大きな出来事があるからです。例えば、新型コロナウイルスの感染拡大によって、工場の稼働が止まったり、物流(ぶつりゅう:モノの流れ)が滞ったりしました。また、国際的な紛争や自然災害、さらには特定の国との貿易ルールが変わるなど、さまざまな要因で、これまでスムーズだったモノの流れが突然止まってしまう事態が頻繁に発生しています。

このような状況になると、私たちの生活にも大きな影響が出ます。例えば、自動車の半導体(はんどうたい:電気を通す性質を持つ材料)が不足して新車が手に入りにくくなったり、海外からの食料品や日用品の価格が上がったりするのも、グローバルサプライチェーンが不安定になっていることが原因の一つです。企業は、一つの国や地域に頼りすぎず、複数の調達先(ちょうたつさき:材料などを仕入れる相手)を確保したり、国内での生産を増やしたりするなど、安定した供給を続けるために必死で対策を考えているところです。

どこで使われている?

グローバルサプライチェーンは、私たちの身の回りにあるほとんどの製品やサービスに関わっています。具体的な企業で見てみましょう。

  • トヨタ自動車:自動車は数万点もの部品からできており、それらの部品は世界中の国々から調達されています。例えば、半導体は台湾から、エンジン部品はタイから、といった具合に、世界中のサプライヤー(部品や材料を供給する企業)と連携し、最適な場所で製造・組み立てを行うことで、高品質な車を効率的に生産しています。災害などで一部の部品供給が滞ると、生産計画に大きな影響が出ることがニュースでも報じられています。
  • ユニクロ(ファーストリテイリング):衣料品を企画・製造・販売するユニクロは、デザインは日本で行い、原材料の調達や縫製(ほうせい:布を縫い合わせること)は主にアジアの国々で行っています。世界中に広がる生産拠点や物流網を駆使して、最新のトレンドを取り入れた服を、手頃な価格で世界中の店舗に届けています。これにより、季節の変わり目には新しい商品がすぐに店頭に並び、私たちの購買意欲を刺激しています。
  • Apple:iPhoneやMacなどの製品は、設計はアメリカで行われますが、部品の多くはアジアの企業から調達され、最終的な組み立ては中国などで行われています。世界中の最先端技術を持つ企業と提携し、効率的な生産体制を築くことで、革新的な製品を大量に生産し、世界中の消費者に届けています。

覚えておくポイント

一般のビジネスパーソンとして、グローバルサプライチェーンについて覚えておくと役立つポイントはいくつかあります。

  1. 「世界の動きが身近なモノに影響する」と理解する:ニュースで海外の災害や国際情勢の変化が報じられたとき、「これはもしかしたら、自分が使っている製品や会社のビジネスに影響するかもしれない」と考える視点を持つと、ビジネスチャンスやリスクを早期に察知できるようになります。例えば、特定の原材料の価格が高騰するかもしれない、といった予測に役立ちます。
  2. ビジネスの安定性を考えるヒントにする:もしあなたが何かを企画したり、新しいビジネスを始めたりする際、材料の調達先や製造をどこに頼むかを考えるとき、「一か所に依存しすぎない」という視点が大切です。複数の選択肢を持つことで、予期せぬ事態が起きても、ビジネスを止めずに済む可能性が高まります。
  3. 普段の買い物で「なぜ?」を考える:スーパーで品薄の商品を見たり、いつもより値段が高いと感じたりしたときに、「もしかしたら、その商品のグローバルサプライチェーンに何か問題が起きているのかもしれない」と考えてみるのも面白いでしょう。そうすることで、世界と私たちの生活のつながりをより深く理解できます。