サステナブル経営とは
サステナブル経営とは、会社がただ目先の利益を追いかけるだけでなく、地球環境や社会全体に良い影響を与えながら、長く会社を続けていくための経営の考え方です。英語の「Sustainable(持続可能な)」という言葉が元になっています。具体的には、地球温暖化対策や資源の節約、働く人の人権を守ること、地域社会への貢献などを経営の中に組み込み、会社が将来にわたって成長し続けることを目指します。
例えるなら、家庭菜園で野菜を育てるようなものです。その年だけたくさん収穫しようと無理な栽培をすると、土が痩せてしまい、来年以降は育たなくなってしまいます。しかし、土を大切にし、肥料を適切に与え、水をやりすぎないようにすれば、毎年安定して美味しい野菜を収穫し続けられますよね。サステナブル経営も、会社を「土」に見立てて、未来にわたって健全に成長させるための工夫と言えます。
なぜ今、話題なの?
サステナブル経営が今、これほど注目されているのは、地球規模での環境問題や社会問題が深刻化しているからです。例えば、異常気象による災害の増加や、貧困、人権侵害といった問題は、私たち一人ひとりの生活だけでなく、企業の活動にも大きな影響を与えています。
また、投資家や消費者の意識も大きく変わってきています。環境や社会に配慮しない企業は、投資の対象から外されたり、商品が選ばれなくなったりする傾向が強まっています。実際に、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のような大規模な機関投資家も、ESG投資 [blocked](環境・社会・企業統治に配慮する企業への投資)を重視するようになっています。これは、会社が社会的な責任を果たすことが、長期的な企業価値向上につながると考えられているためです。このような背景から、企業は社会の持続可能性に貢献することが、自社の持続可能性にもつながると認識し、サステナブル経営への取り組みを強化しているのです。
どこで使われている?
サステナブル経営の考え方は、さまざまな企業で実践されています。具体的な例をいくつか見てみましょう。
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トヨタ自動車:2050年までに「CO2排出ゼロ」を目指す「トヨタ環境チャレンジ2050」を掲げ、ハイブリッド車や電気自動車の開発・普及だけでなく、工場でのCO2排出量削減や水資源の有効活用にも取り組んでいます。これは、環境負荷を減らしながら、持続可能なモビリティ社会の実現を目指すサステナブル経営の一例です。
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ユニクロ(ファーストリテイリング):服の回収・リサイクル活動を積極的に行っています。回収した服は、難民キャンプなどに寄贈されたり、新しい服の素材として再利用されたりします。また、サプライチェーン [blocked](商品の企画からお客様の手元に届くまでの流れ)全体で、労働環境の改善や人権保護にも力を入れています。これは、資源の有効活用と社会貢献を両立するサステナブル経営の取り組みです。
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リコー:使用済みの複合機やプリンターを回収し、部品を再利用して新しい製品を作る「資源循環型モノづくり」を推進しています。これにより、廃棄物の削減と資源の有効活用を実現しています。また、再生可能エネルギーの導入や、オフィスでの省エネ活動にも力を入れています。
覚えておくポイント
一般のビジネスパーソンがサステナブル経営について覚えておくと良いポイントは次の2つです。
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「自分ごと」として捉える視点:サステナブル経営は、会社全体の大きな話と思われがちですが、実は日々の業務の中にもヒントがあります。例えば、会社のコピー用紙を節約したり、電気をこまめに消したりすることも、資源の節約につながります。自分の仕事が社会や環境にどう影響するかを意識するだけで、新しいアイデアが生まれるかもしれません。
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会社の取り組みに関心を持つ:自分の会社がどのようなサステナブルな取り組みをしているかを知ることは、会社への理解を深めるだけでなく、顧客や取引先との会話のきっかけにもなります。会社のウェブサイトやIR情報(投資家向けの情報)などで、環境報告書やCSRレポート(企業の社会的責任に関する報告書)を見てみると、意外な発見があるかもしれません。